AIを使って兵器が人間の関与なしに標的や方法を判断して攻撃する自律型致死兵器システムは「LAWS」と呼ばれ、戦場で使われれば民間人の犠牲などを深刻化させるおそれがあると指摘されています。

国連のグテーレス事務総長は、国連総会で採択された決議を受けて、各国や人権団体などからの意見をまとめた報告書をこのほど発表し、「機械が自律的に人間を標的にすることは、越えてはならない道徳的一線だ」と強い危機感を示しました。

そのうえで「国際社会がこの問題を防げる時間はなくなりつつある」として、再来年までに人命を奪うものは禁止し、そのほかの自律的なシステムも規制する、法的拘束力のある文書を締結するよう各国に呼びかけました。

ただ各国からの意見では、LAWSの定義が定まっていないという指摘があったほか、攻撃の正確さが高まることなどで巻き添え被害のリスクが減る可能性や、人間の心身の状態が原因で起きるミスも防げるといった利点を主張するものもありました。

日本政府も、法的拘束力よりもすべての関係国の参加を重視すべきだという意見を提出していて、今後、国連総会などの場で、LAWSの規制に向けて各国が一致できるのか注目されます。

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