リビアの石油貯蔵施設=ロイター

【ロンドン=大西康平】原油価格が上昇している。26日の欧州指標の北海ブレント先物は一時前週末比3%上昇し、約2週間ぶりの高値を付けた。アフリカの産油国であるリビアが同日に石油の生産と輸出の停止を明らかにし、供給リスクが意識された。

北海ブレントは一時1バレル81ドル台半ばまで上昇した。米指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物は一時77ドル半ばと4%高となった。

リビア東部政府が石油の生産と輸出の停止を宣言した。リビアは2011年にカダフィ大佐の長期独裁政権が崩壊後、東西で内戦が発生した。20年の停戦合意以降も分断状態が続いている。石油生産の大部分は東部が占めている。

英フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、トリポリを拠点とする西部政府が中央銀行総裁の交代を模索したことで、これと対立する東部政府が反発した経緯があるとみられる。中銀は石油輸出による収入を管理しており、現総裁は東部政府の支持を受けているようだ。

リビアは石油輸出国機構(OPEC)加盟国のひとつ。国際エネルギー機関(IEA)によると、石油生産量は23年に日量116万バレルと、アフリカではナイジェリア(124万バレル)と並ぶ大規模な産油国として知られる。

中東の地政学リスクも高まっている。25日にはレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラがイスラエルをロケット弾や無人機(ドローン)で攻撃した。攻撃計画を察知したイスラエル軍はヒズボラの拠点を先制攻撃した。

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