アフガニスタンで行進するタリバンの戦闘員(14日)=AP

【ニューデリー=時事】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン暫定政権は、同国の人権状況を監視するベネット国連特別報告者の入国を禁じた。タリバンはベネット氏を「プロパガンダを広め、信用に値しない人物」だと主張。人権団体は「人道犯罪の隠蔽だ」とタリバン批判を強めている。

地元メディアが20日、暫定政権のムジャヒド報道官の話として伝えた。ベネット氏はタリバン復権翌年の2022年に任命された。アフガン国外に拠点を置きつつ現地調査も踏まえ、暫定政権下の人権侵害や崩壊した民主政権関係者の「超法規的処刑」といった状況を報告書にまとめてきた。

特に、暫定政権が進める教育や就労からの女性排除を「ジェンダー・アパルトヘイト」(性別に基づく隔離)と表現し、批判してきた。同氏は声明で「見解の相違がある場合、建設的な対話こそが答えだ」と強調。入国禁止撤回を求めた。

アフガンの女性や子供の権利擁護を訴えてきた地元団体は声明で、「タリバンの行動は進行中の人道に対する罪を隠そうとする露骨な試みだ。入国を禁じることで真実を封じ込め、国際的な非難を避けようとしている」と反発した。

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