目次

  • 軍事侵攻開始から2年半 戦闘終結見通せず

  • 米高官 ロシアへの越境攻撃による戦闘激化に懸念

【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(8月23日の動き)

ウクライナ情勢 戦況の解説記事はこちら

軍事侵攻開始から2年半 戦闘終結見通せず

ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始してから24日で2年半となります。

ロシア軍はウクライナ東部のドネツク州で、ことし2月に拠点のアウディーイウカを掌握して以降、今月に入っても集落を徐々に掌握していて、ウクライナ側との攻防が激しさを増しています。

砲弾や兵士の数で劣るウクライナは今月4日、アメリカ製のF16戦闘機を受け取り、起死回生を目指していますが、欧米側からさらなるF16の供与が必要だという指摘も出ています。

一方、ウクライナ軍は今月6日、ロシア西部への越境攻撃を開始し、最大で35キロ前進して東京23区の面積のおよそ2倍にあたる1263平方キロメートルの地域と、93の集落を掌握したと主張しています。

国連人権高等弁務官事務所は、軍事侵攻が始まって以降、7月末までにウクライナでは633人の子どもを含む1万1520人の市民が死亡したと発表し、戦闘の長期化で市民の犠牲も増え続けています。

和平交渉を巡ってロシアのプーチン大統領は、一方的に併合したウクライナの4つの州からウクライナ軍が撤退することなどをあげるなど、ウクライナ側が到底受け入れられない条件を主張しており、戦闘の終結は見通せない状況です。

米高官 ロシアへの越境攻撃による戦闘激化に懸念

ウクライナ軍が今月6日、ロシア西部への越境攻撃を開始し、1263平方キロメートルの地域と、93の集落を掌握したと主張したことについて、アメリカ・ホワイトハウスのカービー大統領補佐官は23日、記者団に対し「どのような影響をもたらすかは時期尚早で分からない。しかし、われわれは懸念している」と述べ、こうした攻撃がロシアを刺激し、戦闘の激化につながる可能性もあるとして、懸念を示しました。

また、欧米が供与した射程の長い兵器の使用制限を撤廃するかどうかをめぐって、カービー補佐官は「ウクライナと協議しているが、新たな方針が決まったわけではない」と述べるにとどめました。

一方、バイデン大統領は23日、声明で、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話で会談し、追加の軍事支援を伝えたことを明らかにしました。

支援は1億2500万ドル、日本円で180億円規模で、高機動ロケット砲システム=「ハイマース」に使われるロケット弾や携行型の対戦車ミサイル「ジャベリン」などが含まれるということで、バイデン政権としてウクライナ支援を継続する姿勢を鮮明にしています。

インド モディ首相 ゼレンスキー大統領と首脳会談

ウクライナを訪問したインドのモディ首相は23日、首都キーウでゼレンスキー大統領と首脳会談を行い、冒頭、ウクライナ情勢をめぐり「双方が対話の席につき、この危機から抜け出す方法を探し出さなければならない」と述べました。

これに対して、ゼレンスキー大統領は「戦争を終わらせ、公正な平和を実現することがウクライナの優先事項だ」と応じました。両政府の発表によりますと両国は経済や防衛などの分野で2国間関係を強化していくことで一致しました。

その上でウクライナ情勢についてモディ首相は、早期の平和的な解決に向けて、ロシアとウクライナの双方が実務的に関与することが必要だと訴え、実現に向けて支援していく考えを示しました。

一方、ゼレンスキー大統領はウクライナの和平案を話し合ったことし6月の「平和サミット」で採択された共同声明が、平和の実現に向けて土台になりうると伝えたということです。

ロシアとの関係を重視するインドは「平和サミット」には参加しましたが、共同声明は支持しておらず、ゼレンスキー大統領としては、占領された領土の回復などを訴えるウクライナの立場に理解を求めた形です。

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