ウォール街

【NQNニューヨーク=戸部実華】22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸して始まり、午前9時35分現在は前日比127ドル14セント高の4万1017ドル63セントで推移している。米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利下げを開始すると見込んだ買いが相場を引き続き支えている。もっとも、パウエルFRB議長の講演を23日に控え、積極的に上値を追う動きは限られている。

朝方発表の週間の新規失業保険申請件数は23万2000件と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(23万件)を上回った。前日には米雇用統計の年次改定で雇用者数の大幅な下方修正や、9月の利下げを示唆する米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表された。インフレの鈍化傾向に加え、労働市場の減速を背景に、FRBが次回の会合で利下げに転じるとの観測が強まった。

相場の上値は重い。カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でパウエル議長が23日に講演する。市場は9月の利下げを確実視する一方、議長が労働市場を中心に景気認識をどう示すか関心が高い。利下げ幅やその後の金融政策の見通しを探りたい雰囲気もある。

米国の主要株価指数が大幅に回復し、ダウ平均は7月17日に付けた最高値(4万1198ドル)に迫っており、投資家の様子見姿勢が強まっている。主力株の一部には持ち高調整の売りも出て、ダウ平均が小幅な下落に転じる場面がある。

個別銘柄では、セールスフォースやウォルマート、ウォルト・ディズニーが買われている。ボーイングやマイクロソフトも高い。一方、インテルやハネウェル・インターナショナルは下げている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続伸して始まった。

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