イラン革命防衛隊“イスラエルへの報復 停戦協議見極め判断”

先月、ハマスの当時のハニーヤ最高幹部が訪問先のイランで殺害され、イランは、イスラエルによる攻撃だとして報復を宣言し、中東地域で緊張が続いています。

イランの軍事精鋭部隊、革命防衛隊のナイニ報道官は20日、会見で「意思決定に関わる司令官たちはすべての条件を考慮し、正確に計算された行動を取る。時期を決めるのはわれわれで、長く待たせることになるかもしれない」として、報復はガザ地区での停戦や人質の解放に向けた協議の行方などを見極めながら判断する構えを示しました。

協議をめぐっては、20日にはアメリカのブリンケン国務長官が仲介国のエジプトのシシ大統領と会談し、エジプト大統領府によりますと、両者はガザ地区での一刻も早い停戦の必要性を確認したということです。

アラブメディアは協議は、22日と23日にエジプトで行われる予定だと伝えていますが、ハマスとイスラエルの間の溝は依然深く、停戦が実現するめどは見通せないままです。

一方、ガザ地区ではイスラエル軍による攻撃が各地で続いていて、パレスチナのメディアは、20日、北部ガザ市で多くの市民が避難している学校が空爆され、子どもを含む10人が死亡したと伝えました。

ガザ地区の保健当局は、20日までに4万173人が死亡したと発表していて、犠牲者は増え続けています。

イラン革命防衛隊報道官「長く待たせるかもしれない」

ガザ地区での停戦などに向けた協議について、ハマスを支援するイランの軍事精鋭部隊、革命防衛隊のナイニ報道官は20日、会見で「われわれはアメリカが真剣に平和や停戦を求めているとは見ていない。彼らのふるまいは基本的に政治的なゲームだ」と述べ、協議が進展しない責任はイスラエルの後ろ盾であるアメリカにあると非難しました。

その上で、ハマスの最高幹部の殺害を受けて、イランが宣言しているイスラエルへの報復をめぐっては「意思決定に関わる司令官たちはすべての条件を考慮し、正確に計算された行動を取る。時期を決めるのはわれわれで、長く待たせることになるかもしれない。われわれの司令官は早まった対応は取らない」と述べ、協議の行方などを見極めながら慎重に判断する構えを改めて示しました。

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