【NQNニューヨーク=川上純平】19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸し、前週末比236ドル77セント高の4万0896ドル53セント(速報値)で終えた。米経済が大幅に悪化するとの懸念が後退しており、主力株に買いが入った。もっとも、このところ上昇が続いたことから持ち高調整の売りも出やすく、ダウ平均の上値は重かった。

前週発表の経済指標がインフレの鈍化や消費の底堅さを示したことが買い安心感につながり、投資家心理を支えている。ゴールドマン・サックスは米経済が1年以内に景気後退に陥る確率を25%から20%に引き下げた。来月発表の8月の米雇用統計が堅調な内容になれば、景気後退の確率はさらに下がるとみている。

もっとも、米株相場は上値の重さも意識された。ダウ平均は前週に1162ドル上昇し、週間では今年最大の上げ幅となった。米主要株価指数は8月初旬の急落前の水準を回復しており、持ち高調整の売りも出やすかった。カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が23日に講演するのを前に、様子見の投資家も多かった。

個別ではマクドナルドの上昇が目立った。アナリストが米国事業の先行きに強気の見方を示し、好感された。インテルやウォルト・ディズニーも買われた。半面、ボーイングやダウ、ビザは下げた。 

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は8日続伸し、前週末比245.051ポイント高の1万7876.771(速報値)で終えた。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)の上昇が目立った。サーバーの製造やデザインを手掛ける企業を買収すると発表し、好感された。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。