ロシアのプーチン大統領㊨とアゼルバイジャンのアリエフ大統領は首脳会談を開いた(19日、バクー)=ロイター

ロシアのプーチン大統領は19日、アゼルバイジャンの首都バクー近郊でアリエフ大統領と首脳会談を開催した。プーチン氏は地域の安全保障や経済でアゼルバイジャンを支援する姿勢を示した。ウクライナ侵略が長期化し旧ソ連諸国でロシアと距離を置く動きも出る中、アゼルバイジャンとの関係を強める狙いとみられる。

ロシア大統領府によると、プーチン氏は会談の冒頭で「貿易や経済を巡る両国関係は順調に発展している」と一層の協力強化に言及したほか、アゼルバイジャンとアルメニアの平和条約締結交渉を支援する考えを強調した。

アゼルバイジャンではソ連時代の末期から、アルメニアとの歴史的な係争地だったナゴルノカラバフ地域の支配を巡る民族紛争が激化した。2020年秋と23年9月の戦闘再燃でアゼルバイジャンは同地域を取り戻し、アルメニア系の現地政府は解散した。

アゼルバイジャンと対立したアルメニアはロシアと距離を置く動きを強めている。パシニャン首相はロシアが主導する旧ソ連諸国の軍事同盟、集団安全保障条約機構(CSTO)がアルメニアの領土防衛を支援していないとして強く批判してきた。

アゼルバイジャンとアルメニアの平和条約締結交渉は停滞している。プーチン氏は今回の訪問後に、パシニャン氏に会談結果を伝えると述べた。ロシアは対立する両国の間を取り持ち、アルメニアとの関係改善につなげる狙いもあるとみられる。

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