【NQNニューヨーク=川上純平】14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比6ドル30セント高の3万9771ドル94セントで推移している。朝発表の7月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が市場予想を下回った。米連邦準備理事会(FRB)が利下げに転じるとの期待が相場を支えている。半面、米経済の先行き不安は根強く、主力株には売りも出ている。

7月のCPIは前年同月比で2.9%上昇した。伸び率は2021年3月以来の低さで、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(3.0%)を下回った。前月比では市場予想と同じ0.2%の上昇だった。食品とエネルギーを除くコア指数の上昇率は前月比、前年同月比ともに市場予想に一致した。

市場では「物価の上昇圧力が和らぎ続けていることを示した」(CIBCキャピタル・マーケッツのアリ・ジャフェリー氏)との受け止めがあった。FRBが次回9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決めるとの見方が改めて広がり、米株相場を下支えしている。

もっとも、ダウ平均の上値は重い。米労働市場の減速が景気の下振れにつながるとの警戒感が投資家心理の重荷になっている。FRBの利下げが後手に回るとの見方も根強く、主力株への買いの勢いは鈍い。

個別では、ホーム・デポやトラベラーズ、スリーエムが上昇している。半面、メルクやナイキ、インテルには売りが出ている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も一進一退で始まった。アルファベットは下げている。米司法省が傘下のグーグルに対して事業分割を求めることを検討していると伝わり、売り材料となっている。

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