ガザ地区学校空爆で多数の死傷者
イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続くガザ地区で、避難者が身を寄せる学校をイスラエル軍が空爆し、多数の死傷者が出たことに対して国際社会からは非難する声が相次いでいます。
一方、仲介国が呼びかけた停戦に向けた交渉をめぐり、ハマスの最高幹部が訪問中に殺害されイスラエルへの報復を宣言するイランは「停戦の可能性を妨げない形とタイミングが望ましい」などと述べ、慎重に検討している姿勢を示しました。
ガザ地区の地元当局は10日、多数の避難者が身を寄せる北部にある学校をイスラエル軍が空爆し、100人以上が死亡、数十人がけがをしたと発表しました。
イスラエル軍はハマスの拠点があるとして学校への攻撃を繰り返していて、EU=ヨーロッパ連合の外相にあたるボレル上級代表は10日、「この数週間で少なくとも10の学校が攻撃された。このような虐殺は正当化できない」とSNSに投稿し、イスラエル軍による攻撃を非難するとともに、一刻も早い停戦を求めるなど、国際社会からは非難する声が相次いでいます。
イラン 報復の時期や方法を慎重に検討
中東ではハマスのハニーヤ前最高幹部が7月、訪問先のイランで殺害されたことを受けてイランがイスラエルへの報復を宣言して緊張が続く中、仲介国は、停戦に向けた交渉を8月15日に再開するよう呼びかけています。
これについてイランの国連代表部は9日、「優先事項はガザ地区で永続的な停戦を確立することだ」と述べたと国営通信が伝えました。
その上で「われわれは正当な自衛の権利を持っていて、これはガザ地区の停戦とは全く別の問題だ。ただ、停戦の可能性を妨げない形とタイミングで、対応することが望ましい」と述べ、交渉への影響も視野に入れ、報復の時期や方法を慎重に検討している姿勢を示しました。
EUやカタールなど国際社会から非難の声相次ぐ
ガザ地区で、多数の避難者が身を寄せていた学校がイスラエル軍に空爆され、100人以上が死亡したとされることを受けて、国際社会から非難する声が相次いでいます。
このうち、EU=ヨーロッパ連合の外相にあたるボレル上級代表は10日、SNSを更新し、「空爆を受けた学校の様子にぞっとしている。この数週間のうちに少なくとも10の学校が攻撃された。このような虐殺は正当化できない」などと非難しました。
その上で「停戦は民間人の殺害を止め、人質の解放を確実にする唯一の方法だ」として、一刻も早い停戦を求めました。
また、イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦に向けた交渉の仲介国の1つ、カタールも「無防備な民間人に対する恐ろしい虐殺と残忍な犯罪だ」などとして、強く非難する声明を出しました。
このほか、イギリスのラミー外相は「イスラエル軍の学校への空爆と悲劇的な人命の損失にがく然としている。ハマスは、民間人を危険にさらすことを止めなければならない。イスラエルは、国際人道法を守らなければならない」とSNSに投稿し、即時停戦を呼びかけました。
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