【NQNニューヨーク=稲場三奈】9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比51ドル05セント高の3万9497ドル54セント(速報値)で終えた。週初までの株式相場の大幅な調整を受け、大型ハイテク株などに買い直しの動きが続いた。一方、週末を前に持ち高調整の売りが出て、ダウ平均は下げる場面もあった。

週初に大幅安となったあとで引き続き押し目買いが広がった。「円キャリー取引」の急激な巻き戻しが一服したとの見方も投資家心理を支えた。9日の米債券市場では長期金利が低下し、前日終値(3.99%)を下回る3.9%台半ばを中心に推移した。金利の低下を受け、株式の相対的な割高感が薄れたとみた株買いが入りやすかった。

市場では「特に大きく下げた大型ハイテク株など、買いの好機とみた市場参加者が多かった」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との声が聞かれた。

もっとも、米国の景気減速や金融政策の先行きに対する警戒も根強く、ダウ平均の下げ幅は200ドルを超える場面があった。来週には7月の米消費者物価指数(CPI)や7月の米小売売上高の発表がある。内容を見極めたいとの雰囲気も強く、積極的に持ち高を傾ける動きは限られた。

個別では、アメリカン・エキスプレスやアップル、シェブロンなどが買われた。半面、インテルやユナイテッドヘルス・グループ、ボーイングは売られた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比85.281ポイント高の1万6745.302(速報値)で終えた。

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