米国による制裁に反し、北朝鮮のアニメスタジオが米国や日本の会社のアニメ制作に関わっていた可能性が指摘された=ロイター

【ワシントン=共同】米国拠点の北朝鮮分析サイト「38ノース」は22日、北朝鮮のアニメスタジオが米国からの制裁に違反し、米国や日本の制作会社が下請けに出した仕事に関わっていたとみられるとの分析を公表した。各国企業が「意図せずに北朝鮮企業を使っている可能性」を示すものだとしている。

制作会社側が知っていた形跡はないという。カリフォルニア州を拠点とする会社が制作したアマゾンオリジナルの「インビンシブル〜無敵のヒーロー〜」や、7月放送開始の日本のアニメ「魔導具師ダリヤはうつむかない」などの制作下請けに北朝鮮のスタジオが関与していたもようだと指摘した。

北朝鮮のIPアドレス上に置かれたクラウドサーバーに保管されていたアニメ制作の指示や作業結果を含むファイルを分析した。中国語の編集指示が朝鮮語の翻訳とともに記され、仲介者がいたことがうかがえる。ファイルをアップロードした人物は特定できなかった。

2016年に米国が制裁対象にした北朝鮮随一のアニメスタジオ「朝鮮4.26漫画映画撮影所」が関わっていたとみられる。38ノースによると、米国は同スタジオと協力した中国企業にも21年と22年に制裁を科している。制裁により、米国との間のほとんど全ての商業活動が禁じられる。

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