ハマスのハニーヤ最高幹部が殺害されて1週間となる中、イランの首都テヘランでは、ハニーヤ最高幹部がイランのペゼシュキアン大統領と手を取り合う様子を描いた巨大な看板が新たに設置されています。

看板には「イランはみずからの誇りと尊厳を守りテロリストに後悔させる」と書かれ、イスラエル側をけん制しています。

さらにイランは日本時間の7日夜に開かれる、OIC=イスラム協力機構の外相級の緊急会合でみずからの立場を説明しイスラム諸国から支持を取り付けたい考えです。

イラン市民は報復を心配

テヘラン市民の間からはイスラエルへの報復に賛成する声が聞かれる一方で心配する声も聞かれました。

70歳の男性は「イランにイスラエルを屈服させる力があるならば、報復に賛成しますがそんな能力はありません。逆にわれわれの発電所を1つでも攻撃されればこの国は機能不全になります」と話していました。

別の70歳の男性も「イスラエルと戦いたいのは理解できますが、自分の生活も立ちゆかない人たちにそんなことができるでしょうか。一番重要なのは経済で、余計なことをしている場合ではありません」と話していました。

ヒズボラもイスラエルけん制 緊張高まる

イランの支援を受ける、レバノンのシーア派組織ヒズボラも先月、幹部がイスラエル軍に殺害されていて最高指導者ナスララ師は6日、テレビ演説で「強力な報復を行う。30分もあればイスラエル北部にある工場を攻撃できる」とイスラエルをけん制しました。

イスラエル軍は6日もレバノン国内のヒズボラの複数の拠点を攻撃したと発表し各地で緊張が高まっています。

一方、ガザ地区ではイスラエル軍が7日、ハマスによるロケット弾の攻撃に反撃するためとしてガザ地区北部の一部住民に退避するよう通告したほか、地元メディアはイスラエル軍による広範囲の攻撃で住民3人が死亡したなどと伝えています。

ガザ地区の戦闘は、開始から10か月となりましたがハマスの最高幹部の殺害をきっかけに中東地域で緊張が高まるなか、今も停戦の見通しは立っていません。

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