ニューヨークのウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=川上純平】2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落して始まり、午前9時35分現在は前日比490ドル64セント安の3万9857ドル33セントで推移している。その後、下げ幅を広げ、一時900ドル超下落した。2日発表の7月の米雇用統計が市場予想を下回る内容だった。米経済が想定以上に減速するとの懸念が広がり、主力株に売りが広がった。

雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比11万4000人増と、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(18万5000人増)を下回った。6月分が下方修正されたほか、7月の失業率は4.3%と6月の4.1%から上昇した。

労働市場が軟化しているとの懸念が広がり、投資家は運用リスクを回避しようと株に売りを出している。相対的に安全な資産とされる米国債には買いが入り、長期金利は大幅に低下している。

米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げに転じ、景気を支えるとの見方は投資家心理の悪化に歯止めをかけている。市場では、雇用統計を受け「年内に3回の利下げが必要になる可能性が高まった」(CIBCキャピタル・マーケッツのキャサリン・ジャッジ氏)との指摘があった。ただ、今後景気の減速感が強まり、FRBの政策が後手に回るとの警戒感も意識されている。

個別ではインテルが約3割安と急落している。1日夕発表の2024年4〜6月期決算が最終赤字となり、人員削減の方針を示した。決算が振るわなかったアマゾン・ドット・コムも大幅に下げている。キャタピラーやボーイングなど景気敏感株の下げも目立つ。

半面、メルクやプロクター・アンド・ギャンブルなどディフェンシブ株は買われている。1日夕に決算を発表したアップルも上昇している。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は大幅に続落して始まった。

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