投資回収も資産運用事業の利益改善に寄与=ロイター

【ニューヨーク=竹内弘文】米投資ファンド大手KKRが31日発表した2024年4〜6月期決算は、期末の運用資産総額が前年同期と比べ16%増の6010億ドル(約90兆円)となり、初めて6000億ドルを超えた。プライベートエクイティ(PE=未公開株)ファンドの運用が好調で新たに調達した資金も増えた。投資回収も順調で業績改善が進む。

同社運用のPEファンドやインフラファンドは直近4四半期の投資収益率(手数料控除前)が2割近くに及び、クレジット投資ファンドも1割を超す収益率をあげた。4〜6月期に調達した資金は3201億ドルとなり「当社の歴史上、2番目に資金調達が活発な四半期だった」(ロバート・ルイン最高財務責任者)。

4〜6月期の純利益は保険事業の費用増などで21%減の6億6700万ドルとなったものの、資産運用事業の収益性を示す「調整後純利益」は同49%増の9億7100万ドルだった。

運用資産の積み上がりに応じて、手数料関連の利益は前年同期と比べ25%増となった。投資回収が進み、総運用利益は57%増の2億4000万ドルだった。ブルームバーグ通信によると、アブダビ国営石油(ADNOC)の石油パイプラインの持ち分売却などが寄与した。

決算説明会でスコット・ナトール共同最高経営責任者(CEO)は新規投資や回収の案件パイプラインが拡充していると指摘し、24年は「活動レベルが高い、絶好の年になる可能性がある」と述べた。

KKRは4月、今後5年以内に運用資産総額1兆ドル達成という目標を掲げた。オルタナティブ(代替)投資の資産規模で先行する米ブラックストーンやカナダのブルックフィールドを追う構えだ。

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