パリ五輪開幕当日の26日に起きた仏高速鉄道TGV路線への「破壊行為」をめぐり、フランス国鉄（SNCF）は28日、被害を受けた3路線の修復作業が完了したと発表した。29日には予定通り、全路線が通常運行に復旧する見込み。

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　SNCFによると、25日夜から26日未明にパリと北部リール、南西部ボルドー、東部ストラスブールをそれぞれ結ぶTGVの3路線で何者かによる放火で火災が起きた。パリから南部に向かう路線では破壊行為が未遂に終わった。パリ五輪の開幕とバカンスシーズンに重なり、数十万人の旅行客に影響が出た。

　SNCFは被害が発生した直後の26日朝から復旧作業を開始。「休まずに働いた作業員らの並外れた努力のおかげで、破壊行為を受けたすべての路線のTGVを迅速に再開することができた」としている。

　事件をめぐっては、検察当局が鉄道網に損害を与えるための組織的な犯罪とみて捜査している。仏メディアは27日、犯行目的を五輪の妨害と示唆する不信なメールが仏国内と外国の複数のメディアに届いたと報道。極左集団との関係をうかがわせる内容で、検察当局は事件との関連を慎重に調べている。（パリ＝宋光祐）

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