【エルサレム=共同】パレスチナ自治区ガザ保健当局によると、ガザ中部デールバラハの野戦病院に27日、イスラエル軍の攻撃があり、30人が死亡、100人以上が負傷した。野戦病院は、避難民らが身を寄せる学校施設内に設置されていた。軍はこれまで病院や学校を繰り返し攻撃しており、国際社会からの批判が高まっている。軍はイスラム組織ハマスがこの施設を隠れ家や武器庫にしていたと主張した。
軍は27日、南部ハンユニスの南方からハマスがロケット弾などを発射していると主張し、ハンユニスでの退避要求地域を拡大。作戦強化を表明した。要求地域には、軍が「人道地区」に指定していた場所の一部も含まれる。
軍は22日以降、ハマスがハンユニスで「再武装している」などと主張し、「人道地区」に指定した場所を含めて攻撃を次第に強めている。軍によると、ハレビ参謀総長は25日、ハンユニスを訪れ、ハマスに圧力をかけ「良い条件で人質解放の合意を実現することが最重要課題だ」と述べ、幹部らを殺害してハマス解体を目指す姿勢を強調した。
軍は22日の攻撃直前、ハンユニス東部などの一部住民に退避を要求。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、これまでに最大15万人が避難を余儀なくされた。食料配給拠点20カ所が稼働できず、医療施設などにも影響が出ている。
ガザ保健当局は27日、昨年10月の戦闘開始以降、ガザ側の死者は3万9258人になったと発表した。
ハマスと連帯するレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラとの交戦も続き、軍は26日、これまでにヒズボラ戦闘員ら500人以上を殺害したと発表した。
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