出産経験のない女性を中傷する発言だとしてSNSで動画が拡散しているのはバンス上院議員が2021年にFOXニュースに出演した際のインタビューです。

この中で、バンス氏は「この国は自分の人生と選択のために惨めな思いをしている子どものいない『猫好きの女性』によって運営されている。そして彼女たちはこの国も惨めなものにしたいのだ」と述べています。

英語で「猫好きの女性」ということばは、社会から孤立している女性という否定的な意味でも用いられます。

さらに、バンス氏は「ハリス副大統領など民主党の未来は子どものいない人たちによって支配されている。この国を直接利害関係のない人たちに明け渡す意味はどこにあるだろうか」と続けています。

ハリス氏は夫と前妻との間の2人の子どものまま母です。

バンス氏はみずからの発言について、26日に配信されたインターネット上の番組で「さまざまな理由で子どもを持たない人を批判するものではない。民主党が反家族、反子どもとなっていることを批判するものだ」と釈明しています。

ただ政治専門紙「ヒル」は、共和党の一部の下院議員の中には、トランプ前大統領が、バンス氏を副大統領候補に選んだことを疑問視する声があると伝えていて、身内の共和党内からも批判があがっています。

バンス氏の発言をめぐる反応

ハリス副大統領の夫と前妻との間の娘で、ハリス氏も母親として育てているエラ・エムホフさんはSNSに「私や兄のコールのようなかわいい子どもがいるのにどうして『子なし』なのか。私は3人の親を愛している」と投稿しました。

また、不妊治療の経験を明らかにしている俳優のジェニファー・アニストンさんはSNSに「これがアメリカの副大統領候補の発言だとは信じられない。あなたの娘が幸運にも子どもを産めることを祈っている」と投稿しました。

ハリス陣営は26日、声明で「バンス氏は不妊に悩むカップルを侮辱した。彼は国どころか共和党も結束させることができない」と批判しています。

一方、トランプ陣営の報道官は、25日、SNSに「子どもを産むことができない女性に心を痛める」とした上で「バンス氏のことばは文脈が無視され、不当に攻撃されている」と投稿し、バンス氏の発言を擁護しています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。