フランス国鉄などによりますと26日朝、高速鉄道TGVの、首都パリとフランス北部や東部などとを結ぶ3つの路線で信号機や線路のポイントを切り替えるためのケーブルの束が相次いで燃えました。

暫定内閣のアタル首相は「最もぜい弱な標的を狙って準備された作戦で、実行犯グループはどこを攻撃すべきか知っていた」と述べ、鉄道網の混乱を狙った組織的かつ計画的な破壊活動だという見方を示しました。

また、国鉄のファランドゥ総裁も「犯行は複数の場所でほぼ同時に行われた」と述べるともに、別の路線でも複数の不審な人物が車で逃走したことが確認されたと明らかにしました。

一連の事件についてパリ検察庁は、組織犯罪や国家の基本的利益を損なう行為にあたる疑いがあると見て、捜査を進めています。

事件によるけが人などの情報はありませんが、この影響でTGVや、イギリスのロンドンなどとを結ぶ高速鉄道「ユーロスター」の運行休止が相次ぎ、各地の駅でオリンピックの開会式に向かう人や行楽客などが足止めされました。

フランス国鉄によりますと26日だけで25万人、週末にかけて80万人に影響が出ると見られ、全面復旧は早くても週明けになるということです。

オリンピックの開会式は26日夜、予定どおり行われていますが、当局は大会の安全を確保するため競技会場などに軍や警察を動員して最大限の警戒を続けることにしています。

英 スターマー首相 飛行機でパリへ

イギリスの首相官邸によりますとスターマー首相はオリンピックの開会式に出席するため高速鉄道の「ユーロスター」でパリに向かう予定でしたが、鉄道の運行の混乱を受けて飛行機でパリに向かったということです。

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