【ニューヨーク=竹内弘文】米カリフォルニア州中部地区の連邦地検は26日、空売り調査を手掛ける「シトロン・リサーチ」創業者のアンドリュー・レフト被告を証券詐欺などの罪で起訴したと発表した。半導体大手エヌビディアの株価を操縦した疑いがある。シトロンは日本企業に対しても売り推奨のリポートを出したことがある。
米証券取引委員会(SEC)も26日、同被告と法人のシトロン・キャピタルを提訴したと発表した。不正に得た利益は2000万ドル(約30億円)に相当するとSECは推定する。
起訴状によると、レフト被告はシトロンのウェブサイトやソーシャルメディアでリポートを公表するのに先立ち、個人の口座で調査対象企業の株式を投資していた。2018年にはシトロンのツイッター(現X)でエヌビディアを有望な投資先と書き込む直前に同銘柄のコールオプション(買う権利)を取得。株価上昇で少なくとも96万ドル以上の利益を得たと検察はみている。
シトロンは日本企業を投資対象としたことがある。16年に装着用ロボット開発の日本企業、サイバーダインに対し、競合に対する優位性がないとして扇情的な表現を交えて「株価が過大評価」と主張するリポートを公表。株価は急落し、サイバーダイン側は反論した。
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