【ワシントン=芦塚智子】米民主党は24日、11月の大統領選に向けた党候補を指名するオンライン投票を8月1日に開始する案を承認した。同7日までに、指名獲得に必要な代議員の過半数を固めたハリス副大統領を正式に指名する見通しだ。共和党のトランプ前大統領と対決する構図が確定する。
民主は24日にオンラインで開いた規則委員会で指名手続きを決めた。党候補指名を目指す人は25日から27日までの間に出馬表明し、30日までに代議員300人以上の署名を集める必要がある。
候補が1人だけの場合は8月1日、複数の候補が出た場合は同3日に投票を開始する。現時点でハリス氏以外に主要な候補は名乗りを上げていない。約4000人の代議員に電子投票用紙を送付し、代議員は候補者名を入力して返信する仕組みだ。AP通信の調査によると、ハリス氏が既に3000人以上の代議員の支持を確保している。
正式指名を受けた大統領候補は7日までに副大統領候補を選ぶ。19~22日に中西部イリノイ州シカゴで開く党全国大会でもあらためて「儀式的な指名投票」を実施するという。大会では党綱領も採択する。
民主の大統領候補を選ぶ予備選は既に終了し、バイデン大統領が大半の代議員を獲得して指名を確実にしていた。民主幹部によると、バイデン氏が大統領選からの撤退を表明したことで、代議員は自由にバイデン氏以外の候補を選べる。
大統領候補は党全国大会で正式に指名するのが通常で、事前に指名投票を実施するのは異例だ。激戦州の一つである中西部オハイオ州が州法で、候補者選定の期限を8月7日までと定めたことへの対応が当初の理由だった。
その後、オハイオ州が期限を8月末まで延長する法案を可決したため、党全国大会での指名でも問題が生じなくなった。しかし民主は、オハイオ州の共和党知事や議会が期限延長を守るかどうか「信用できない」として事前のオンライン指名を決めた。
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