【NQNニューヨーク=川上純平】19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比377ドル49セント安の4万0287ドル53セント(速報値)で終えた。世界規模で発生したシステム障害を受けて一部のハイテク株が大幅に下落し、投資家心理が冷え込んだ。決算を発表した銘柄への売りも目立ち、指数を下押しした。

19日までにマイクロソフトの基本ソフト(OS)で発生したシステム障害により、世界の空港で遅延が発生したり、決済サービスに影響が出たりする事態となった。影響は広範囲に及び、マイクロソフト株は一時2%近く下げた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、障害の原因とみられるセキュリティーソフトを手掛けるクラウドストライク・ホールディングスの株価は15%下げる場面があった。

市場では「システム障害の収束がいつになるのか不透明だ」(コンフルエンス・インベストメント・マネジメントのパトリック・フェロンヘルナンデス氏)との指摘があり、投資家が運用リスクを避けるため主力株に売りを出した。クラウドストライクは19日、システム障害について「問題は特定、隔離され、修正プログラムが展開されている」との声明を発表した。

決算を発表した主力株への売りもダウ平均の重荷となった。トラベラーズが急落したほか、アメリカン・エキスプレスも下げた。2024年4〜6月期の売上高がともに市場予想に届かなかった。

インテルやキャタピラー、ダウにも売りが出た。半面、メルクやユナイテッドヘルス・グループ、アムジェンといったディフェンシブ株には買いが入った。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比144.283ポイント安の1万7726.940(速報値)で終えた。前日夕に決算を発表したネットフリックスが下落した。

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