ホーガン氏はトランプ氏の共和党候補指名受諾演説を前に登場した(18日)=ロイター

【ミルウォーキー(米ウィスコンシン州)=芦塚智子】米共和党全国大会の最終日となる18日、世界最大のプロレス団体WWEの伝説のプロレスラーであるハルク・ホーガン氏が登場した。ホーガン氏は「ドナルド・トランプは真のアメリカン・ヒーローだ」とトランプ前大統領への支持を訴えた。

ホーガン氏は着ていた黒いTシャツを破り捨て、下から「トランプ・バンス」の赤いタンクトップが現れるパフォーマンスを見せ、大歓声を浴びた。「普段は政治から距離を置いているが、先週起きたこと(銃撃事件)以来、もはや黙っていられなくなった」と強調した。

1980年代から90年代にトップレスラーだったホーガン氏は日本でも人気を博し、故・アントニオ猪木氏との対戦はファンを魅了した。

現在は南部フロリダ州で自身のグッズ店を経営するほか、6月には「真のアメリカン・ビール」と名付けた愛国的なデザインのビールの販売を始めた。6月の米メディアのインタビューでは政界入りへの興味も示している。

18日はトランプ氏による大統領候補指名の受諾演説を前に、WWEの元CEOでトランプ政権の中小企業局長を務めたリンダ・マクマホン氏も演説。世界最高峰の総合格闘技団体UFCの最高経営責任者(CEO)ダナ・ホワイト氏も演壇に立った。

トランプ氏と格闘技の関係は深い。1980年代にWWEの興行に関わり、リング上に登場したこともある。WWEに殿堂入りしている唯一の大統領経験者だ。トランプ氏の選挙集会はプロレス会場に似ているとも評される。今回の大会でも、バックステージから入場する様子を会場のスクリーンに映し出すなどプロレス的な演出をしている。

UFCのファンとしても知られ、たびたび観戦に訪れている。

ホワイト氏はトランプ氏と親しく、2016年と20年の共和党全国大会でも演説した。トランプ氏の銃撃事件の後には自身のインスタグラムにトランプ氏が拳を突き上げる写真を投稿し、トランプ氏について「この地球上で最もタフで、回復力があるアメリカン・バッドアス(すごいやつ)だ」と称賛した。銃撃事件直後の試合では勝利した選手がトランプ氏支持を訴えた。

マクマホン氏は共和から上院選に出馬経験があり、共和の大口献金者でもある。19年に中小企業局長を辞任しトランプ氏を支援する政治団体のトップに就いている。

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