【ロサンゼルス=共同】メキシコ政府は9日、エクアドルの警察が首都キトにあるメキシコ大使館に突入し、エクアドルのグラス元副大統領を拘束した際の映像を公開した。警察官がグラス氏とみられる人物の両手両足を持ち上げて連れ出し、止めようとした外交官が押し倒される様子が写っている。メキシコ政府は外交官が銃器を突き付けられたと説明した。

メキシコは警察突入を受けエクアドルと断交した。グラス氏はメキシコへの亡命を求めており、メキシコのロペスオブラドール大統領は9日、「いかなる口実でも亡命の権利や大使館の安全が侵害されてはならない」と非難を強めた。外国公館への不可侵を定めたウィーン条約などに反するとして国際司法裁判所に提訴すると明らかにした。

エクアドルからの報道によると、法務当局は9日、グラス氏を刑務所に収監したと明らかにした。グラス氏は2017年、汚職事件で禁錮6年を言い渡され、さらに贈収賄事件で禁錮8年の判決も受けた。グラス氏が昨年12月にメキシコ大使館に身を寄せた後、エクアドルの裁判所は仮釈放を撤回している。

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