【ワシントン=共同】米CNNテレビは11日、ロシアがドイツ防衛関連大手ラインメタルのパッペルガー最高経営責任者(CEO)の暗殺を計画し、米独の当局が阻止したと報じた。
ロシアはウクライナに兵器を供給する企業の幹部殺害を企てており、パッペルガー氏の暗殺計画は最も差し迫ったものだったという。米欧当局者の話として伝えた。
今年に入って米情報機関が計画を察知し、ドイツ側に伝達。ドイツの治安当局がパッペルガー氏を守り、暗殺を阻止した。
ラインメタルはウクライナで多く使われる155ミリ砲弾を生産しており、昨年10月にはウクライナの国営軍需企業ウクルオボロンプロムと合弁会社を設立。パッペルガー氏はウクライナでの装甲車生産に意欲を示していた。
ロシアは半年以上前から欧州各国で工作員を使った破壊活動を展開し、ウクライナ向けの兵器の倉庫に放火するなどしてきたという。
米国家安全保障会議(NSC)の報道担当者は「ロシアによる破壊活動の激化を極めて深刻に捉えている」と述べ、同盟国と協力して阻止すると強調した。
欧州にある米軍基地は警戒を強化している。11日までワシントンで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議でも各国当局者がロシアの破壊活動について議論したという。
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