英下院選挙で当選した650人の議員が9日、議会でそれぞれ就任の宣誓をして、初めて顔を合わせた。議会の当選名簿によると、女性は263人に上り、英国史上初めての4割超えとなった。

 前回19年の総選挙後(220人、33.8%)より、女性議員は大きく増えた。圧勝した労働党の議員412人のうち、190人(46.1%)が女性だったため、全体数を押し上げた。

 英国には、候補者の男女割合を一定以上にしなければならない「クオータ制」はない。労働党は1993年から、特定の選挙区で女性だけを公認する独自の施策を導入していたが、今回の選挙では採用していない。

 議員としての在職期間が最も長い「マザー・オブ・ザ・ハウス」(議会の母)として演説したダイアン・アボット議員(70)は「私が新人だった1987年、女性議員は40人しかいなかった。この状況を見ることに、喜んでいる仲間もいることでしょう」と語った。

 女性が増えただけではなく、民族的マイノリティーが増えたことも特徴だ。シンクタンク「英国の未来」によると、90人(13.8%)が黒人やアジア系で、19年の66人よりも大きく伸びた。21年の国勢調査で「非白人」と答えた割合は18%で、社会の民族的多様性を徐々に反映しつつある。(ロンドン=藤原学思)

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