フランス国民議会(下院、定数577)選挙の決選投票が7日、実施された。仏メディアは調査会社の推計をもとに、左派の政党連合「新人民戦線(NFP)」が200議席前後を獲得し、議会の最大勢力になる見通しを伝えた。
第1回投票では、極右の流れをくむ右翼政党「国民連合(RN)」が首位だった。ただ、決選投票で逆転が起きる「サプライズ」となった。
調査会社IPSOSは同日午後8時(日本時間8日午前3時)の発表で、NFPがトップの「最大192議席」、マクロン大統領率いる与党連合が2位の「最大170議席」と推計した。
一方、RNと右派の共闘勢力は「最大152議」とされた。推計の通りであれば、首位に立った6月30日の第1回投票から一転して、3番手に後退する。
フランスの総選挙は2回投票制。7日の決選投票は、第1回投票で得票率が足りずに当選者が決まらなかった501選挙区で実施された。仏メディア各社は、共闘勢力と合わせてRNが200議席前後を獲得し、最大勢力になると予測していた。
与党連合とNFPは第1回投票後、RNの単独過半数を阻止するため、自陣営で3番手として決選投票に残った計200人以上の候補の撤退を決定。決選投票に向けて、候補者を一本化する事実上の選挙協力を進めていた。
事前の予測を覆し、NFPと与党連合が大きく盛り返した背景には、こうした戦略が奏功したとみられる。NFPが最大勢力になる見通しが強まったことについて、仏公共放送は「大きな驚き」と伝えている。(パリ=宋光祐)
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