イスラエル軍は6日、ガザ地区中部ヌセイラトにあるUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関が運営する学校を空爆したと発表しました。
ハマスの戦闘員が潜伏していたことなどを理由にあげています。
民間人の被害を減らす措置をとったなどと主張していますが、ガザ地区の保健当局は空爆によって学校に避難していた住民16人が死亡し、50人がけがをしたとしています。
ガザ地区の保健当局は、去年10月に戦闘が始まってからの9か月で3万8153人が死亡したと発表しています。
住民の犠牲が増え続ける中、カタールなどの仲介で停戦や人質解放に向けた交渉が行われています。
5日にはイスラエルの情報機関トップがカタールで交渉を行い、8日の週にも再度、イスラエルの交渉団が派遣される予定です。
ロイター通信は、ハマス側が一定の譲歩を示していると伝えていますが、イスラエル首相府は「ハマス側との隔たりはまだ残っている」としていて、双方が溝を埋め、停戦を実現できるかは依然、見通せない状況です。
こうした中、イスラエル軍は隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラに対する攻撃も強めていて、6日には、東部バールベックで、ヒズボラの主要な戦闘員を殺害したと発表したのに対し、ヒズボラもイスラエルへの砲撃などを連日行っていて、攻撃の応酬が続いています。
先月にはイスラエルの一部メディアがレバノンとの国境方面に軍の部隊を移動させ始めたと報じるなど、戦闘はガザ地区に加え、レバノンでも激化するおそれもあり、中東全域に緊張が広がることも懸念されています。
人質解放や停戦求めるデモ 各地で
イスラエル軍とイスラム組織ハマスの大規模な戦闘が始まってから7日で9か月となる中、各地では人質の解放を求めたり、停戦を求めたりするデモが行われています。
イスラエルでは6日、人質の家族や親族などがテルアビブに集まり、人質の顔写真が入ったTシャツを着たり写真を掲げたりして、一日も早い解放を呼びかけました。
停戦や人質解放をめぐる交渉が行われる中、人質の親族の1人は「国民は人質が故郷に戻ってくることを望んでいる」として、交渉の進展を訴えていました。
また、イギリスの首都ロンドンでも6日、デモが行われました。
参加者たちは、「今すぐ停戦を」などと書かれた横断幕を広げて街を練り歩いていました。
参加者の1人は、イギリスの総選挙を受けて労働党のスターマー政権が発足したことに関連して「スターマー首相は人権派の弁護士だ。パレスチナで起きている殺りくを今すぐ止めるべきだ」と述べ、新政権が停戦に向けて対応すべきだと主張しました。
一方、中東のイエメンでは5日、反政府勢力フーシ派が掌握する首都サヌアの広場で大規模な抗議デモが行われ、上空から撮影された映像では広場を埋め尽くす参加者や巨大なパレスチナの旗が掲げられている様子が確認できます。
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