英総選挙(定数650)の投票が4日午前7時(日本時間4日午後3時)に始まった。2~3日に発表された四つの情勢調査では、14年ぶりの政権奪取をめざす最大野党・労働党(解散前206議席)が、単一政党として第2次大戦後最多となる「430~484議席」を獲得するとの推計が出ている。
一方、スナク首相率いる与党・保守党(同345議席)は「64~126議席」との推計が出ている。戦後最悪の大敗を喫した1997年の165議席を下回るだけでなく、少なくとも過去100年以上例のない歴史的惨敗となる。
調査会社ユーガブによると、下院から選ばれた内閣メンバー30人のうち、ハント財務相やシャップス国防相、モーダント下院院内総務ら16人が落選する可能性がある。
2大政党以外では、自由民主党(同15議席)が52~72議席と議席を伸ばし、地域政党のスコットランド国民党(SNP、同43議席)は10~18議席にとどまるという。
保守党と一部の支持層が重なる改革党は2~7議席と推計されるが、一定の得票率を得て、英政界の今後の行方に影響を及ぼす可能性がある。
圧倒的多数のメリットは?
穏健・中道路線を取るスターマー党首の労働党が400議席超の議席を得た場合、党内に数十人いる急進左派グループが造反しても、法案を通すことができるようになる。
スナク氏はここ数日、「労働党のスーパーマジョリティー(圧倒的多数)をやめろ」とくり返し、労働党の圧勝を阻止するよう有権者に呼びかけてきた。
投票は4日午後10時に締め切られ、同時に、公共放送BBCなどが出口調査の結果を発表する。開票は夜通し続けられ、5日中には確定結果が出る。労働党が勝利した場合、チャールズ国王の儀礼的な承認を経て、同日中に「スターマー新政権」が誕生することになる。(ロンドン=藤原学思)
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