宮内庁の西村泰彦長官は4日の記者会見で、天皇、皇后両陛下の英国滞在時の現地の警備当局の対応をめぐり、「白バイの神業的な交通規制には感服」と称賛した。現地では、複数の白バイが両陛下の車列の周辺で、一般の車両を止めるなどの対応をしており、両陛下も帰国のために空軍基地を出発する際、白バイ隊員一人一人に声を掛け、握手を交わした。

 この日の会見では、6月22~29日の両陛下英国公式訪問について質疑があった。警視総監などの要職を歴任した西村氏は「長い間警察に身を置いたものとして、交通規制に感嘆した」と述べ、現地の白バイの対応を称賛。「日本では同じようなことはできないだろうなという風には思います」と付け加えつつ、訪英に尽力した日英の関係者全てに謝意を表した。

 同行した宮内庁幹部によると、現地では両陛下や随員らが乗った車列を白バイが誘導し、日本の交通規制のやり方と違って「混み合った道路を果敢に通してくれた」という。複数の白バイが鮮やかに連携する形で、車列前方や交差点などで一般の車両に短時間止まってもらうなどし、視察に向かう両陛下の車列をスムーズに通過させたという。

 28日夜にロンドン郊外のブライズ・ノートン空軍基地から政府専用機で帰国の途につく際には、両陛下は8人の白バイ隊員ら一人一人に声をかけ、握手を交わしていた。

 西村長官はまた、今回の訪英では天皇陛下とチャールズ国王の親密な様子が感じ取れたとして「まさにご兄弟のような関係」と表現。訪問全体を通じて「両国の友好親善と協力関係が一層深まった」と総括した。(中田絢子)

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