欧州連合(EU)は3日、独ルフトハンザ航空によるイタリアのITAエアウェイズの買収案を承認した。

 ITAは2021年、経営破綻(はたん)したアリタリア航空をイタリア政府が国営化して再建。昨年、ルフトハンザはイタリア政府と、ITAの株式41%を3億2500万ユーロ(約566億円)で取得することで合意していた。

 しかしEUの行政を担う欧州委員会は、ルフトハンザグループが買収によってイタリア発着の中欧諸国路線や、日本や北米などの国際長距離路線を独占することを懸念。EU合併規則に違反する可能性があるとして、今年1月から調査していた。

 この日の発表で欧州委は、競合航空会社に中欧への短距離便の運航を促すと同時に、ルフトハンザグループがミラノ発着枠を一部手放すことなどを条件に、買収を承認した。これはルフトハンザグループ側から「譲歩案」として提示されていた。

 競争政策を担当する欧州委のベステアー上級副委員長は「消費者が航空運賃の高騰に直面しているいま、料金のさらなる上昇や減便によるサービス低下を防ぐ必要があった。提案された譲歩案は、競争上の懸念に完全に対処している」と評価した。(ブリュッセル=牛尾梓)

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