イスラエルとパレスチナ自治区ガザの境界付近を走行するイスラエル軍戦車(29日)=AP

【エルサレム共同】米国が再提示したパレスチナ自治区ガザ停戦案の修正を巡り、イスラム組織ハマスの政治部門幹部ハムダン氏は29日、レバノンで記者会見し「恒久停戦やイスラエル軍のガザ撤収が保証されなければ合意できない」と従来の立場を強調し、反発した。

イスラエル側との溝は埋まっておらず、間接交渉は停滞している。

イスラエル紙ハーレツによると、外交筋は「(仲介役の)米カタール両政府がハマスに合意するよう圧力をかけている」と指摘。

激化するイスラエル軍とレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの交戦を巡り、米国防当局者らは、ガザ停戦が実現しなければ、イスラエルが数週間内にレバノンに地上侵攻する恐れがあるとみており、戦火拡大を避けたい仲介国がガザ情勢で外交攻勢を強める可能性がある。

米ニュースサイト、アクシオスは28日、バイデン政権が5月末に示した停戦案の「恒久的な敵対行為の停止」に関連し文言を追加し、修正したと報じた。ハムダン氏は同意を迫る米国に対し「交渉難航の責任をハマスに押し付けている」と反発した。

イスラエル軍は30日もガザ各地で攻撃を続けた。

パレスチナ通信によると、ガザ最南部ラファや北部ガザ市への空爆や砲撃で民間人が死亡。軍はガザ北部シャジャイヤでハマスが部隊再編しているとして27日から攻勢を強化し、これまでに少なくともハマス戦闘員40人以上を殺害した。

ガザ保健当局は30日、昨年10月以降のガザ側死者は3万7877人になったと発表した。

イスラエルメディアは軍事専門家の話として、1〜2週間でラファ地上作戦が終わる可能性があると報じた。

軍はレバノン南部のヒズボラ拠点も空爆し、ヒズボラは戦闘員3人の死亡を発表した。

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