南アジアの島国モルディブで、現職の国務大臣の女性が警察当局に逮捕された。AFP通信が27日に報じた。地元メディアによると、この国務大臣は、ムイズ大統領に対して「黒魔術」を使った疑いをもたれているという。
- モルディブ政権、中国に傾斜 海洋調査船寄港に神経とがらせるインド
- 「インドビジネスは難しい」は本当か 日本人駐在員の意外な本音
逮捕されたのは、環境・気候変動・エネルギー担当の国務大臣を務めるファティマス・シャムナズ・アリ・サリーム氏。警察によると、他の2人とともに、首都マレで23日に身柄を拘束された。具体的な容疑は明かしていない。
地元メディアは、シャムナズ氏が「ムイズ大統領に黒魔術をかけたことで逮捕された、と報じられている」と伝えた。報道内容について、警察当局は反応していない。
罪に問えるのか
AFP通信は、海面上昇によって今世紀末にはモルディブに人が住めなくなる恐れがあると、国連の専門家が警鐘を鳴らしていることを理由に、シャムナズ氏の職務が「国にとって重要な職務」だとしている。
モルディブでは、黒魔術を刑法で犯罪行為に規定していないものの、イスラム法にのっとって禁錮6カ月の刑が科される。AFP通信は、モルディブではいまも伝統的な祭事が広く行われ、黒魔術で他者を呪うことができると信じられている、と伝えている。(伊藤弘毅)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。