イスラエル軍は28日、隣国レバノン南部にあるイスラム教シーア派組織ヒズボラの複数の攻撃拠点を空爆したと発表した。ヒズボラは、パレスチナ自治区ガザを拠点とするイスラム組織ハマスを支援すると明言している。欧米からは衝突の激化への懸念が示されるなか、攻撃の応酬が続く。

 イスラエル軍によると、28日にはレバノン側からも対戦車砲や3機の無人機による攻撃、約25発の砲撃などがあった。負傷者はいないという。イスラエル軍は、これらの攻撃拠点などに対して空爆した。

 イスラエルのガラント国防相は28日、「戦争は望んでいない」と語った。地元メディア「タイムズ・オブ・イスラエル」が伝えた。報道によると、ガラント氏はヒズボラとの衝突をめぐり、外交的な解決が望ましい、と述べた。一方、政権に影響力をもつ極右勢力は戦闘継続を訴えている。

 イスラエル軍のガザへの攻撃も続いており、軍は29日、ガザ北部や中南部での作戦を展開していると発表した。ガザでの戦闘休止や人質解放をめぐる交渉が停滞するなか、米ネットメディアのアクシオスは28日、交渉を仲介する米国が取引について新たな文言を提案していると報じた。

 報道によると、恒久的な停戦の前段階として一時的な休戦に至った際の交渉で、イスラエル側はガザの非軍事化やその他の問題について取り上げることを望んでいる。新たな文言は、こうした意向も踏まえ、両当事者の溝を埋めるものとして、ハマス側に提案されているという。(今泉奏)

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