【NQNニューヨーク=矢内純一】28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まった後、上げ幅を広げている。3日続伸となっている。午前9時35分現在は前日比233ドル27セント高の3万9397ドル33セントで推移している。朝発表の5月の米個人消費支出(PCE)物価指数が市場予想通りの結果となった。インフレ再加速への懸念が後退し、株式相場を支えている。ただ、前日に四半期決算を発表したナイキが急落し、ダウ平均の重荷となっている。
5月のPCE物価指数は前月比の上昇率が横ばいと4月(0.3%)から鈍化し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想と同じだった。エネルギーと食品を除くコア指数も0.1%と市場予想通りだった。物価上昇に対する警戒が和らぎ、28日の米債券市場では長期金利が前日終値(4.28%)を下回る水準で推移している。
取引開始直後にダウ平均は下落する場面があった。ナイキが一時18%安となり、指数を押し下げている。前日発表の2024年3〜5月期決算で売上高が市場予想を下回った。併せて25年5月期通期の減収見通しを示し、業績先行きの不透明感が強まった。
前日夜には11月の大統領選に向けた候補者によるテレビ討論会が開かれた。有権者の現職のバイデン大統領に対する高齢不安を強めたとの見方がある。ダウ平均の構成銘柄ではないが、交流サイトのトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)は上昇して始まった。
ダウ平均の構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループ、セールスフォース、アメリカン・エキスプレスが高い。半面、トラベラーズ、アマゾン・ドット・コム、ウォルト・ディズニーが下げている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は4日続伸して始まった。18日に付けた最高値(1万7862)を上回る場面がある。
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