サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)=ロイター

【エルサレム、ワシントン=共同】イスラエルのガラント国防相は26日、ワシントンでサリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と会談した。サリバン氏はイスラエル軍とレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの本格戦闘を防ぐ考えを強調。ロイター通信によると、米側はガラント氏に一部の爆弾の供与停止を続けると伝達した。

ガラント氏は記者団に対し、外交的解決を望んでいるとしながらも「レバノンを石器時代に戻すことができる」と述べた。イスラエル軍はレバノン南部への攻撃を継続、ヒズボラとの緊張が高まっている。

ガラント氏は24日以降、ブリンケン国務長官やオースティン国防長官とも会談。米政府によると、サリバン氏は会談で、ヒズボラの脅威に対して米国がイスラエルを支援する決意は揺るがないと指摘、レバノン・イスラエル国境の緊張緩和に向けた方策も協議した。

バイデン政権はパレスチナ自治区ガザ最南部ラファへの地上侵攻計画に反対し、5月に一部の爆弾の供与停止を表明した。爆弾が対ヒズボラの戦闘に使われることも懸念しているとみられる。

米紙ワシントン・ポスト電子版は昨年10月にガザでの戦闘が始まって以降、米政府のイスラエルに対する軍事支援が65億ドル(約1兆400億円)に上ると報じた。米政府高官の話としている。

イスラエル軍は26日、レバノン南部にある複数のヒズボラ拠点を空爆した。レバノン保健当局は昨年10月の交戦開始以降、435人が死亡したと発表した。

中東メディアによると、イスラエルとイスラム組織ハマスが戦闘を続けるガザ北部ジャバリヤでは26日、市民8人が死亡した。ガザ保健当局によると、昨年10月以降のガザ側死者は3万7700人を超える。

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