中国の習近平(シーチンピン)国家主席は24日、北京を訪問したポーランドのドゥダ大統領と会談した。中国外務省によると、ウクライナ情勢について「政治的解決のため、中国は自らの方法で建設的役割を果たす」と述べ、米欧と距離を置き独自の関与を続ける姿勢を強調した。

 ポーランドは隣接するウクライナにドイツ製戦車を供与するほか、自国内に米国の核兵器を配備して共同運用する「核共有」について、北大西洋条約機構(NATO)に参加を求めるなど、ウクライナ支援をめぐって米欧と歩調を合わせてきた。

 習氏は、衝突の激化を回避し、和平交渉の条件づくりに向けて努力することは「欧州を含む国際社会の利益に合致する」と指摘。米欧は、ウクライナ侵攻を続けるロシアに対して中国が軍事転用できる部品を輸出しているなどとして批判を強めるが、「一部の人々が中ロ間の正常な貿易を利用して、中国を中傷することに反対する」と反発した。

 一方、両国はポーランド産農産品の中国への輸出拡大など貿易協力で合意した。中国は自国の電気自動車(EV)の関税引き上げをめぐり欧州連合(EU)と摩擦を抱える。来年上半期にEU議長国を務めるポーランドとの協力を強化し、EUとの関係を安定化させたい思惑もあるとみられる。(北京=井上亮)

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