【ブリュッセル=共同】欧州連合(EU)は25日、ロシアの侵略を受けるウクライナと加盟交渉を開始する。ウクライナは悲願の加盟へ大きな一歩を踏み出すが、ロシアとの激しい戦闘が続く中で、交渉の長期化は必至とみられる。加盟には全27加盟国の承認が必要で、1国でも反対すれば実現しないことも厳しいハードルとなる。
EUとウクライナは加盟交渉の最初の会合をルクセンブルクで開き、EU側は交渉の枠組みを提示。これに引き続きEUは、ウクライナの隣国で同じく旧ソ連のモルドバとも加盟交渉を始める。
ロシアのプーチン大統領は、ウクライナを影響下に保とうと、EUへの接近阻止を図ってきた。2014年にウクライナの親ロ政権が市民らのデモで崩壊すると、南部クリミア半島を併合。東部では親ロ派武装勢力と政府軍の紛争が始まった。
22年2月の侵略開始を受け、ウクライナは直ちに加盟を申請。モルドバも同3月に続いた。両国は同6月に異例の速さで加盟候補国となった。
EUは昨年12月の首脳会議で両国との加盟交渉入りを決めた。親ロシアのハンガリーのオルバン政権がウクライナとの交渉開始に難色を示し、開始時期が一時見通せなくなったが、加盟国で構成する理事会は今月21日、交渉開始を承認した。
加盟には政治や経済面のさまざまな基準を満たす必要があり、多くの改革が求められる。既にEUはウクライナ側に厳格な汚職対策や、国内の政治や経済に強い影響力を持つ大財閥への対処を要求してきた。
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