【ブリュッセル=共同】欧州連合(EU)は24日、ウクライナに侵攻するロシアの液化天然ガス(LNG)などを標的に、対ロ追加制裁を科すと発表した。ロシア産LNGを域内港で第三国向けに積み替えることなどを禁止する。ロシアが制裁回避に利用している「影の船団」のタンカーや軍事装備を輸送する船舶などを対象とし、27隻の域内港の使用禁止も決めた。
国家収入をエネルギー輸出に頼るロシアに打撃を与える狙い。ロシア国内でのLNG関連プロジェクト向けの投資なども禁じる。積み替え禁止については、9カ月間の移行期間を設ける。
EUの港湾は、北極圏が凍結する冬季にロシアからアジア市場にLNGを輸出するための重要なルートとされる。EUは20日の大使級会合で、対ロ追加制裁に合意していた。
このほか、EUの銀行によるロシア送金ネットワーク「SPFS」の使用を禁じることで金融制裁も大幅に強化する。EU加盟国で構成する理事会に、SPFSを利用する第三国の銀行のリストを作成する権限を与え、掲載された場合はEU業者との取引を禁止する。
【関連記事】
- ・G7首脳宣言採択 ロシア支援の金融機関制裁、中国名指し
- ・ロシア凍結資産を没収せず活用 G7、金融への影響配慮
- ・ロ朝制裁の実効性、日韓共同で確保 25日に財務対話
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。