フィリピンが南シナ海で実効支配するセカンド・トーマス礁の周辺ではフィリピン軍の船が軍の拠点への補給活動を行う際に、中国海警局の船から妨害を受ける事案が相次いでいて、フィリピンのベルサミン官房長官は21日、中国の要求を受け入れる形で「補給活動の予定を事前に公表する」と明らかにし、事態の鎮静化を目指す姿勢を示していました。
しかし、24日に記者会見したテオドロ国防相は「補給活動の予定は公表しないと大統領は改めて表明した」と述べ、新たな方針をマルコス大統領が一転して取り下げたことを明らかにしました。
また、6月17日に中国の船との衝突でフィリピン軍の兵士1人が大けがをしたことについて、テオドロ国防相は「誤解か事故で起きたものだろう」との官房長官の発言についても「違法な力の行使だった」と、政府の見解を改めました。
そのうえで、自国の排他的経済水域内だと主張する海域での補給活動を継続していくと説明しました。
マルコス大統領が新たな方針を撤回した背景には、国内のメディアで中国側に譲歩したとの批判が強まっていることを受けたものとみられますが、補給活動の事前通告を求める中国との間の緊張が続くことになります。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。