【ロンドン=為広剛】スイスの有力ビジネススクールIMDが17日発表した2024年の世界競争力ランキングは、シンガポールが4年ぶりに首位となった。日本は38位と3年連続で過去最低を更新した。企業の生産性や効率の低さなどへの評価が落ち込んだことが主な理由となった。
調査対象は67カ国・地域。各国政府や世界銀行などの統計データと、企業経営者などへのアンケート調査をもとに算出した。
シンガポールが23年から3つ順位を上げて、20年以来4年ぶりに首位となった。政治やビジネス環境の効率性、インフラなどで評価を上げた。2位は前年3位のスイスで、ビジネス面での効率性などが高く評価された。前年首位のデンマークは3位に後退した。
米国が政治やビジネス面での効率性で評価を下げて12位と前年から3つ順位を落とした一方で、中国は21位から14位へと躍進した。韓国も20位と8つ順位を上げた。
日本は過去最低だった前年からさらに3つ順位を下げた。特に「ビジネスの効率性」を巡る評価が低く全体を押し下げた。分野別で起業環境や国際経験、機敏性などが最下位と厳しい。一方で国内経済(5 位)や雇用(6 位)、科学的インフラ(10 位)などの評価は高かった。
同ランキングを統括するIMDのアルトゥロ・ブリス教授は「24年以降は脱炭素への移行などに注意しつつ、デジタルトランスフォーメーション(DX)に後れを取らないことが課題になる」と指摘する。
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