17日、米議会上院の公聴会で証言する米ボーイングのサム・サレプール氏=ロイター

【ヒューストン=花房良祐】米議会上院は17日、航空機大手の米ボーイングの製造品質を巡る公聴会を開いた。製造方法に不備があると内部通報した同社エンジニアのサム・サレプール氏が「増産を急ぐあまり、機体に欠陥のある飛行機を出荷している」などと主張した。

サレプール氏は4月上旬、米メディアに対して中型機「787」の増産を急ぐあまり工場で定められた作業手順が短縮されているなどと公表した。機体の劣化が早まる可能性があるという。

社内で製造品質について問題提起したところ「上司から静かにするよう圧力を受けた」と17日の公聴会で明らかにした。報復人事として配置転換されたと述べた。

議会ではボーイングの安全文化に対する批判が高まっており、米連邦航空局(FAA)による安全審査の強化を求める声もある。

これに先立つ15日にボーイングはメディア説明会を開催。「787」の製造工程は安全基準などに沿って定められており、定期検査を受けた航空機の機体強度に問題はなかったとしている。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。