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  • 長谷部誠 今季かぎりで現役引退を表明

  • 引退後は “クラブに残り指導者に”

長谷部誠 今季かぎりで現役引退を表明

ドイツ1部リーグのフランクフルトに所属する長谷部選手は、日本時間の17日午後8時半から現地で会見を行いました。

この中で長谷部選手は流ちょうなドイツ語で「僕はシーズン終了後に現役を引退します。ただまだ現時点で終わりではありません。僕もチームも今シーズンのリーグ戦のラストスパートに集中したい」と述べて、今シーズンかぎりで現役を引退することを表明しました。

長谷部選手はミッドフィルダーやディフェンダーとして日本代表で通算114試合に出場し、たぐいまれなリーダーシップでワールドカップで2018年のロシア大会まで3大会連続でキャプテンを務めました。

2018年 W杯ロシア大会 コロンビアに勝利

その堅実なプレーやキャプテンシーはドイツでも発揮され、2014年から所属するフランクフルトでは2021年から22年にかけてのシーズンでヨーロッパリーグ制覇に貢献しました。

しかし、フランクフルトでの出場機会は減っていて、今シーズンリーグ戦でフル出場したのは2月18日に行われた堂安律選手が所属するフライブルクとの試合だけで、第29節を終えた今月13日時点で7試合の出場にとどまっていました。

引退後は “クラブに残り指導者に”

シュツットガルト戦で競り合う(2024年4月)

長谷部選手は引退を決めた理由について「理由はたくさんある。体力的なことでいえば回復するのに時間がかかるようになったし、気持ちの面も含めていろいろ考える中で次のステップに進みたいと思うようになった。40歳になってもサッカーは大好きだが、そのサッカーを子どもたちと楽しんだりすることはできてもプロを続けるとなるとどうかなど、いろいろなことを考えた。家族ともたくさん話してこの決断につながった」と話しました。

そして、今後については「クラブの上層部といろいろ話をしている。まだ、細かい点は話し合わないといけないが、非常にいい提案をしてもらった」と述べました。

長谷部選手は現役引退後もフランクフルトのクラブに残り、指導者の道に進む予定です。

クラブ幹部「常に多くの選手にとってロールモデル」

フランクフルトのマルクス・クレッシェスポーツ執行役は、長谷部選手について「彼は常に多くの選手にとってすばらしいロールモデルだった。プロフェッショナルな心構えとライフスタイルで、40歳になった今でも高いレベルでサッカーをプレーすることができた。シーズン後に現役生活を終えるという決断は尊敬に値する。長年の経験を若い選手たちに伝えるため私たちのクラブに残ることをうれしく思う」とコメントしています。

◇長谷部誠選手 浦和レッズからプロスタート

浦和レッズ時代(2007年)

長谷部誠選手は静岡県藤枝市出身の40歳。的確な状況判断と攻守両面で見せる高い戦術理解力をベースに、守備的ミッドフィルダーやセンターバックなどミッドフィルダーとディフェンダーのさまざまなポジションでプレーしてきました。

藤枝東高校を卒業したあと2002年に浦和レッズに入団し、主力としてチームのJ1制覇や、ACL=アジアチャンピオンズリーグの初優勝に貢献しました。
2008年にドイツ1部リーグのウォルフスブルクに移籍し、その後、ニュルンベルクを経て2014年からフランクフルトでプレーしています。

そして日本代表として歴代7番目に多い通算114試合に出場し、たぐいまれなリーダーシップで2010年から8年余りの間、キャプテンを務めました。

2010年の南アフリカ大会、2014年のブラジル大会、2018年のロシア大会とワールドカップに3大会連続でキャプテンとして出場しました。

代表のキャプテンでの出場試合は、歴代最多の81試合を数えます。

長谷部選手はワールドカップロシア大会のあと代表からの引退を表明し、所属クラブでのプレーに専念していました。

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【主な一問一答】

長谷部選手は、会見の冒頭でみずからの引退について、流ちょうなドイツ語で次のように語りました。

長谷部誠 選手
「シーズン終了後に現役を引退することを決めた。最近、この件について聞かれる機会が多かったので、この場でみなさんにお伝えしたい。
でも現時点ではまだ終わりではない。
皆さんにお伝えしたあとは、僕もチームもリーグ戦のラストスパートに集中したい。何としても6位を堅持したい。
来シーズンはチームの試合をすばらしいファンの皆さんとスタジアムで観戦することを楽しみにしている。いまはとにかくラストスパートに集中したい」

Q.引退後については?

「クラブの上層部と話をした。まだ細かい点は話し合わないといけないが、非常にいい提案をいただいた。引退後もクラブに残ることができるのはとてもうれしいこと。シーズン終了後の5月には東京でも記者会見を行う予定だ」

Q.引退の決断をするのは難しかったか?

「難しい決断だったが、一方で僕には準備する時間がたくさんあった。いずれはこの時がくるというのは長年感じていた。5、6年くらい前からだが、いまがその時だと思う。いまが正しいタイミングだと思っている」

Q.引退を決断した理由は、もう十分にやりきったというメンタル的なものか。それとも体力的に厳しいということが理由か?

「理由はたくさんある。もちろん体力的なこと。体力が回復するのに時間がかかるようにもなった。気持ちの面もあるし、いろいろなことを考えた。
そういう中で次のステップに進みたいと思うようになった。僕はいま40歳だが、いまもサッカーが大好きだ。
サッカーそのものは、子どもと楽しむこともできるが、プロの世界となると…。体力的なこと、メンタル的なことをいろいろ考え、家族ともたくさん話した。
そういったことすべてがこの決断につながった」

Q.引退することについて子どもたちの反応は?

「まだ娘には話していない。もし前もって話してしまったら、娘はきっと学校の友達に言うだろうし、そうするともっと憶測が飛び交うことになる。きょう家に帰ったら話そうかなと思っている。
もう1度、娘と息子をエスコートキッズにできたらと思うが、でもそれは重要なことではない。
まだ最後のリーグ戦が残っているので、何としても目標を達成して、最終戦のあとスタジアムでファンの皆さんと一緒に引退を祝うことができればありがたい」

Q.リーグ戦での出場機会が少なくなっていたことも、引退を決断した理由か?

「それも理由の1つだ。今シーズンはプレーする機会がとても少なかった。プレーしないと体も重くなる」

Q.残りのラストスパートでどういった役割を果たしたいか?

「チームの雰囲気はいいわけではない。でも、こうした状況はこれまでたくさん経験してきた。どうすればこの状況から抜け出せるか。
答えは1つ。
チームだけじゃなく、スタジアムも、ファンも、町全体も、みんなが1つになることだ。そのためにまずは選手である僕たちが、ピッチですばらしいプレーをしなければならない。
ファンにサポートを期待するのは、そのあとだと思う」

Q.キャリアの中で獲得してきた数々のタイトルの中でも、ヨーロッパリーグ制覇は一番意味のあるものか?

2010年 W杯 南アフリカ大会 デンマーク戦

「答えるのは難しい。たくさんのすばらしい経験をさせてもらった。ドイツカップ優勝、ヨーロッパリーグ優勝、日本代表ではキャプテンとして3回のワールドカップに出場した。

でも、つらい経験もあった。
ニュルンベルク在籍時のチームの降格。
大きなけがもあった。

たくさんの思い出はあるが、いまはまだ自分のキャリアについて多くを語りたくはない。シーズン終了後なら話せるかもしれないが、いまはとにかく週末の試合とリーグ戦のラストスパートに集中したい」

Q.今度のアウクスブルク戦をどう戦うか?

「個人的にはいつでも出られる状態でいないといけないが、次の試合はチームにとって大事な試合だ。試合開始から1対1で負けないこと、気持ちを前面に出したプレー、そういったものをピッチで示さなければならない。次の試合がいかに重要か僕らは分かっているし、何としても勝つつもりだ」

Q.今後ドイツにはどのくらい残るのか?いずれは日本に帰るのか?

「家族と一緒に、今後も長期間ドイツに滞在すると思う。ドイツは僕と家族にとって第2の故郷になった。それにフランクフルトは僕のクラブだ。休暇の時は両親の顔も見たいし1年に数回は日本に帰ると思うが、ドイツの生活をすごく気に入っているし、今後もコーチになるためのトレーニングをドイツで続けていきたい」

Q.引退を決断するきっかけとなった試合や場面はあるか?

「具体的にいつというわけではなく、だんだんとそういう気持ちになった。今シーズンはプレーする機会も少なかったし、トレーニングをしていても潮時かなと思うようになった。そして4週間から6週間前に引退することを決めた」

Q.引退の決断を後悔する可能性はないか?

「後悔はしない。もちろん人は時々後悔するものだが、それは時間がたってからのこと。僕は自分が下した決断は常に正しいと思っている。これまで22年以上プロサッカー選手として生きてきたから1か月後は何をすればいいんだなんて思っているかもしれないが、引退後は少し休みたい。どのくらいの期間か分からないが、家族と旅行をしたい」

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