銃の連射を可能にする装置「バンプ・ストック」=AP

【ワシントン=芦塚智子】米連邦最高裁は14日、銃の連射を可能にする「バンプ・ストック」と呼ぶ装置の規制を認めない判断を下した。保守に傾斜した最高裁は銃保有者に有利な判断を相次いで出している。銃規制派には逆風となる。

バンプ・ストックは、半自動小銃に取り付けると1分間に400〜800発を連射できる。2017年に西部ネバダ州ラスベガスで60人が死亡した銃乱射事件で容疑者が使用した。

トランプ前政権が18年、同装置を取り付けた銃を連邦法で禁止されているマシンガンとみなす規制を決めた。バイデン政権が規制を引き継いだ。テキサス州の銃販売業者が、規制は政府の権限を逸脱しているとして提訴した。

判断は保守派判事6人が支持し、リベラル派判事3人が反対した。多数派意見は「バンプ・ストックを取り付けた半自動小銃はマシンガンではない」と断じた。

バイデン大統領は声明を発表し「今日の判断は銃の安全の重要な規制を無効にした」と批判。議会にバンプ・ストックや殺傷能力の高い「攻撃用銃器」の禁止法案を可決するよう求めた。「法案を送付すれば即座に署名する」と強調した。

最高裁は22年にも、自宅外での銃携帯に免許の取得を義務付けた東部ニューヨーク州の銃規制法を違憲とする判断を下した。近くドメスティックバイオレンス(DV)で接近禁止命令を受けた加害者が銃を保有することを禁じた連邦法の合憲性についても判断を示す見通しだ。

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