7人制ラグビーの男子日本代表は14日からのアメリカ遠征を前に千葉県浦安市で合宿を行っていて、最終日の13日、報道陣に練習が公開されました。

練習には代表候補の選手14人が参加し、数十秒おきに休憩を入れてランニングを繰り返すインターバル走のトレーニングなどでおよそ1時間半、汗を流しました。

最終メンバーの12人は7月上旬に発表される予定で、14日からのアメリカ遠征でメンバー争いは最終盤を迎えます。

日本はこの種目で2016年のリオデジャネイロ大会では強豪のニュージーランドに勝つなど4位と健闘しましたが、3年前の東京大会では12チーム中11位と低迷しました。

3回目の出場となるパリ大会では初のメダル獲得を目標に掲げています。

林選手は「オリンピック予選が終わった後に、アジアで勝つスタイルから世界の強豪相手に勝つスタイルに一新して練習を重ねてきた。メダルを獲得するためにリスクを背負わないといけないことは全員がわかっているので、自分たちのベストな状態で臨めるようにしたい」と意気込みを話していました。

「リスクを背負った戦い方」とは

練習後、選手たちからはメダルを目指す上で「リスクを背負った戦い方をする」ということばが相次ぎました。

林選手によるとその戦い方とは、敵陣から全力でプレッシャーをかけてディフェンスをし、ボールを奪ったあと少ないフェーズでトライを取りに行くスタイルだということです。

その分、自陣には空いたスペースができ、ひとたび突破されると逆にトライを奪われてしまうリスクが生まれます。

これについて、林選手は「一見、合理的ではないように見えても世界の強豪も体感したことがないスピードでプレッシャーをかけられたらセブンズは一発勝負なのでわからない。15人制ラグビーのように試合が1週間おきに行われて準備に時間がかけられる種目ではないし、トライのたびに選手たちが集まれるわけではないのでそこはいい方向に作用すると思う」と話しました。

前回の東京大会を経験している石田吉平選手も「本番までに完成していない状態だったらどのチームにも負けるような戦い方になるが逆にはまってしまえばどんな強いチームにも勝てる戦い方だと思っている。現状は勝てていないが、そこで揺らいでしまったら元も子もないので、自分たちのスタイルを信じて完成させたい」と力を込めました。

そのうえで石田選手は無観客だった東京大会を「個人のパフォーマンスも不完全燃焼で、オリンピックに出た感覚がない」と表現し、パリ大会に向けては「正直ラグビーは期待されていないと思うので、だからこそ自分たちも全力でいける。勇気を持って戦ってメダルを獲得して日本選手団のいいスタートを切りたい」と笑顔で話しました。

直近の国際大会でも結果が出ていない中で迎えるオリンピックで、“一か八か”の戦い方で挑もうとしている日本。

リスクを背負うスタイルで目標に掲げているメダル獲得への道を切り開くことができるか、7人制ラグビーの男子は開会式前の7月24日に競技が始まり、27日にメダルの行方が決まります。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。