政府は11日、首相官邸で「グローバルサウス諸国との連携強化推進会議」を開き新興・途上国に対する外交方針をまとめた。岸田文雄首相は「民間企業で背負いきれないリスクに対応するため支援強化し、日本企業の現地展開を通じた産業協力を強化する」と述べた。

日本企業による途上国での設備投資を資金面で支援する。人工知能(AI)や脱炭素、次世代自動車などが対象になる見通しだ。政府開発援助(ODA)を拡充し、サプライチェーン(供給網)の強化や重要鉱物の確保など、経済安全保障上の協力も進める。

首相はグローバルサウスを「ともに成長し未来をつくっていくパートナー」と位置づけた。米欧と中国・ロシアによる対立の構図の中で中立的な立場をとる傾向にあり、日本は法の支配に基づく国際秩序の維持に向け、味方に取り込みたい狙いだ。

グローバルサウス外交は自民党が政府の動きを補完してきた。萩生田光一政調会長(当時)が2023年10月、関係強化に向け新たな党組織を立ち上げて独自のパイプづくりをめざした。政府が呼応して推進会議を設置した。

日本は23年12月、東南アジア諸国連合(ASEAN)の友好協力50周年を記念する特別首脳会議を主催した。今年7月には東京で日本と太平洋の島しょ国・地域による「第10回太平洋・島サミット」を開く予定だ。政府・与党は様々な外交機会を捉えて新興国との連携を深める。

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