目次

  • 「平和サミット」共同声明案 ロシア軍撤退触れず各国一致優先

  • ウクライナ各地でロシア軍とウクライナ軍の攻防続く

ロシア ウクライナに軍事侵攻(6月10日の動き)

ウクライナ情勢 戦況の解説記事はこちら

「平和サミット」共同声明案 ロシア軍撤退触れず各国一致優先

ウクライナが提唱する和平案の実現に向けた国際会議「平和サミット」は、今月15日と16日スイスで開かれる予定で、スイス政府は10日、90の国と国際機関が参加する見通しだと明らかにしました。

NHKは「平和サミット」で採択が目指されている共同声明の案を入手しました。

それによりますと、10項目からなる和平案のうち今回は「原発の安全確保」と「食料安全保障」それに「捕虜の解放と連れ去られた子どもの帰還」の3項目に絞られ、「ロシア軍の撤退」や「領土の回復」には触れられていません。

一方、共同声明案では「和平の実現にはすべての当事者の関与が必要だ」として今後の議論にロシアを参加させることの重要性が強調されています。

外交筋によりますと、ウクライナ側が訴え続けている「ロシア軍の撤退」などが盛り込まれなかった背景には、ロシアとの関係も重視するアジアや中東などの新興国の一部に配慮したという事情もあるということです。

ゼレンスキー大統領は、平和サミットについて、ウクライナにとって有利な形で戦争を終わらせるための枠組みにしたいと考えていて、まずは各国が一致して共同声明をまとめることを優先した形となっています。

ウクライナ各地でロシア軍とウクライナ軍の攻防続く

ウクライナ第2の都市の東部ハルキウでは、10日、ロシア軍による誘導爆弾を使った攻撃があり、地元の市長によりますと、住宅が大きく崩れるなどしてこれまでに少なくとも7人がけがをしたということです。

またゼレンスキー大統領は10日、前線の状況についてシルスキー総司令官から報告を受け、ハルキウ州ではウクライナ軍が反撃を続けているものの、ドネツク州は最も困難な状況にあるとしています。

一方、ウクライナ軍参謀本部は、ロシアによって一方的に併合された南部クリミアを9日夜に攻撃して最新鋭の「S400」1基を含むロシア軍の地対空ミサイルシステム3基を破壊したと発表し、「ロシアの防空部隊が大きな損害を被った」としています。

ウクライナが提唱する和平案の実現に向けて今週、スイスで国際会議が開かれるのを前に、ウクライナ各地ではロシア軍とウクライナ軍の攻防が続いています。

ウクライナ情勢 ロシアによる軍事侵攻 最新情報・解説 - NHK特設サイト

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。