イスラエルのガンツ前国防相は、主要閣僚として中道派の野党の立場から戦時内閣に参加していましたが、9日、離脱すると発表しました。

ガンツ氏はこれまでネタニヤフ首相に対し、ガザ地区の将来的な統治をめぐる計画を策定するよう求め、今月8日までに計画が策定されない場合は、戦時内閣から離脱する可能性を示唆していました。

ガンツ氏は、ネタニヤフ首相に対し「極めて重要な戦略的決定をちゅうちょし、先延ばしにしている」と批判し、国民の信を問うため、早期に総選挙を実施するよう求めました。

一方、ネタニヤフ首相は9日、SNSに「今は戦いを放棄するときではない。力を合わせるときだ」と投稿し、ガンツ氏に離脱を思いとどまるよう求めました。

ガザ地区の将来的な統治をめぐっては、イスラエルの戦時内閣のメンバーのガラント国防相も先月、ネタニヤフ首相にガザ地区をイスラエルが統治しないことを明言するよう求めるなど対立しています。

中道派のガンツ氏が戦時内閣を離脱したことで、ネタニヤフ政権内での極右勢力の発言が強まり、国内の分断がさらに深まることが懸念されます。

こうした中、アメリカのブリンケン国務長官は10日、エルサレムを訪れてネタニヤフ首相と会談するとしていて、停戦や人質解放に向けた交渉の進展につながるのか注目されます。

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