デンマークの外相は記者団に意気込みを語った(6日、国連本部)

【ニューヨーク=佐藤璃子】国連総会は6日、2024年末に任期を終える安全保障理事会の非常任理事国の後任にデンマークやソマリアなど5カ国を選出した。世界各地の紛争や危機に対応する。任期は25年1月1日から26年12月31日となる。

15カ国で構成する安保理は拒否権を持つ米国、英国、フランス、ロシア、中国の5カ国の常任理事国と、拒否権のない10カ国の非常任理事国で構成する。非常任理事国は世界の各地域を代表するように地域枠が定められており、任期は2年間。5カ国は自動的に毎年入れ替わる。

24年末で任期が切れる非常任理事国は日本、スイス、マルタ、エクアドル、モザンビーク。立候補したデンマーク、ギリシャ、パキスタン、パナマ、ソマリアが総会で必要な3分の2以上の賛成票を得て選出された。今回選出された5カ国はいずれも非常任理事国を務めた経験がある。

イスラエルのパレスチナ自治区ガザ侵攻やロシアのウクライナ侵略への対応を巡っては、常任理事国による拒否権行使の頻発で安保理の対応が滞っている。機能不全が指摘されるなか、デンマークのラース・ロッケ・ラスムセン外相は、マルタが主導したガザ戦闘の一時休止決議が採択された例を挙げ「小国や非常任理事国であっても違いを生み出せる」と記者団に語った。安保理改革に向けて継続的に取り組むと意気込んだ。

国連総会は同日、第79回国連総会の次期議長としてカメルーンのフィレモン・ヤン氏を選出した。9月に就任し多国間交渉のまとめ役を1年間担う。ヤン氏は2009年から19年まで同国の首相を務めた経験がある。

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