中国政府が発表した海洋環境の報告書で、2023年の中国周辺海域の放射性物質濃度について「異常は見られなかった」と明記したことが明らかになった。同年8月に東京電力が福島第一原発の処理水放出を始めたことに反発した中国は、現在まで日本産水産物の禁輸措置を続けている。

 中国生態環境省が5月末に公表した海洋環境に関する報告書によると、海水や堆積(たいせき)物中のストロンチウムとセシウムの濃度は中国の水質基準や食品基準よりはるかに低かったとしている。具体的な数値は示していない。検査は中国が主張する管轄海域内の147カ所で行ったとしているが、時期は明らかにしていない。

 中国外務省の毛寧副報道局長は6日の定例会見で報告書について問われ、「国民の安全と健康を守るため、日本産水産物に対して必要な措置をとっている」と述べた。(北京=井上亮)

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